母は分かっていたんだろうな。社会的な階層をのしあがるために、教養が欠かせないことをよく分かっていたのだと思う。
ピアノは、七月の末くらいでちょうど一年になる。あと三ヶ月もすれば、昔の自分はもう超えてしまうだろう。一年でここまで出来たから、あと二年はやってみようと思う。
たぶん高校生の頃にピアノに目覚めて、毎日練習してたら、東京音大くらいには行けたのかもしれない。でも、今考えてもその選択肢はないな。
弦を弾けてなかったら、僕の今の交友関係の95%くらいは、違ったものになっていたと思う。それはそれで、また豊かな人生だったかもしれない。それはそれで、まったく別の人生かもしれない。
でもやっぱり、ないな。今こうしてピアノに取り組んでいるのは、充実したオーケストラの活動が出来ているからこそだ。そこでの人の繋がりがあって、取り組めている。だから後悔するのは間違っている。
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生活を整えないと。