- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/15
- メディア: 文庫
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- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/10/13
- メディア: 単行本
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- 主体的に選択する「自分で選び取った人生」って何?それって存在するの?
これは聖と冬子の会話、お酒を飲まないと行動できない冬子、という所から問われています。あとは水野くん。「自分でした選択、引き受けたリスクにこそ価値がある」という価値観を転倒させようとするモーメントを感じました。
- 嘘と本物、引用とは何か?
これは、最後に三束さんが身分を偽っていたこと、そして、それにも関わらず冬子は「本物」の恋をした(かのように)書かれているところから問われていると感じました。人はフェイクの恋だろうと本物と感じれば本物になる、というところでしょうか。感情さえ引用であると感じる聖と、(彼女はそれをフェイクだと受け入れてセフレが何人もいる状態)それに乗っかって服やメイクをして、聖の教えてくれた店に行く冬子(結果、結ばれない)、という設定からも問われる箇所だと思います。
いずれにせよ、割と時流を捉えた問題提起と、その問いに解を出そうとした作品であると思います。または、校閲者の冬子が、自分の物語を生きるようになる成長譚とも読めます。そして、この作品それ自体が、村上春樹作品の何かのパロディであるような気もします。私はと言うと、バイトを上がって喫茶店で寛いでいるところです。