まだら猫の毎日明るく元気よく日記

生活について書きます。

無題

10年前、楽器を初めて、数年経った頃。Handel/Harvolsenのpassacagliaを知ったのだった。
https://www.youtube.com/watch?v=dZawzc8HJio&feature=share
なんどもこのズーカーマンを見たものだった。
https://youtu.be/Chiz5OEQ1zM
どちらかと言えば、この若かりし頃の演奏の方が好きだった。いつか、このズーカーマンのように弾けるようになりたい、と思ったものだった。いつか弾けるようになりたいし、そう遠くない将来、弾けるようになると思った。当時付き合っていた女の子の家で、その子と一緒にこの動画を見たりしていた。2013年とか、その頃だろうか。もう、随分昔のことのように思える。

来年1月、この曲の一曲目のSARABANDEと一緒に演奏する機会がある。なんとまあ、こんな時期にこんなことが。今の僕はピアノばかり弾いていて、10月7日の本番以降、一回しか楽器ケースを開けていないというのに。不思議なものだ。追いかけていた頃、それは遥か彼方にあるように思えたものの、そこから一歩退いたような気になっていたところ、こんな機会が訪れるのだから。
一つの達成になるだろうか。ちゃんと準備をすれば、いまの僕なら曲になるだろう。ちゃんと準備をすれば、だ。


不思議なものだ。不条理、とも言うのだろうか。でも、何かを達成していくとき、それを憧れの眼差しで見つめている人間との距離とは、そういうものかもしれない。そちら側の人間というのは、ひょうひょうとして、軽々とその羨望の眼差しを越えていくものだ。僕もそうやって、いくつもの、昔憧れた自分というのを乗り越えていきたい。これまで、いくつも乗り越えて来たのと同じように、こらからも。