たもたす。

人文系が好きなアラサー社会人です。読んだ本、観た映画、日々の記録。好きなピアニストはリパッティ。

ジャコメッティ展とサンシャワー東南アジアの現代美術展に行ってきた

国立新美術館

せっかくの休みだしドトールにいても仕方ないと思って、行けていなかったジャコメッティ展に行ってきました。本当は東京国立近代美術館の『日本の家展』に先に行きたかったんだけど、調べずに竹橋に行ったら月曜日は休館でした。

ジャコメッティ


ジャコメッティといえば、あのひょろひょろの彫刻、というイメージだが、一つだけ『ジャコメッティのアトリエ』の文章だけは覚えている。探したらインターネットに落ちていた。

美には傷以外の起源はない。単独で、各人各様の、かくされた、あるいは眼に見える傷、どんな人間もそれを自分の裡に宿し、守っている。そして、世界を去って、一時的な、だが深い孤独に閉じこもりたいときには、ここに身を退くのである。だから、この芸術と、ひとびとが悲惨主義と名付けるものとは、はるかに隔たっている。 ジャコメッティの芸術はあらゆる存在、のみならず、あらゆる事物のこの秘められた傷を見出だそうとのぞんでいる。この傷がそれらの存在や事物を照らし、輝かさんがために。私にはそう思える。 ジャン・ジュネジャコメッティのアトリエ」

ジュネはそう書いているけれど、言われればまぁそうかなぁ、というのが素人の感想で、一番見たかったチェース・マンハッタン銀行プロジェクトの三つの彫像が見れた。ここは写真撮影オッケー。歩く男、大きな頭部、大きな女性立像。この3つを生で見れるだけでも来た甲斐があった。9月4日で終わってしまうので、まだの人は是非行ってほしい。

ジュネの本は読み返さないとな、と思っている。ジュネに触れているパネルもあったのでお土産コーナーに書籍として紹介があるかなと思いきやなかったので残念。

サンシャワー東南アジアの現代美術展

ジャコメッティ展に隠れて二階でやっていたので立ち寄った。客層としては、ジャコメッティに比べたら美大の学生ぽい若い人たち(僕も若い)が多かった。で、個人的にはジャコメッティ展より面白かった。インスタレーションが多くて瀬戸内国際芸術祭や越後妻有(僕は毎度会期になるとボランティアスタッフで参加している)のような雰囲気も感じられた。植民地支配の長かった歴史と、近年の経済成長の勢いを感じさせる展示が多かった。写真撮影OKだった作品3つを紹介します。

ナウィン・ラワイチャイクン『ふたつの家の物語』


アイスクリームを売ってるようなお店。中に入ると雑多なもので溢れている。僕はフィリピンのセブ島にオーケストラの演奏で行った時に、貧困街やゴミの山なんかも見学したけれど、そういう街中にあったバラック小屋と似ている。中には日本のテレビや扇風機が付いていて。

スラシー・クソンウォン『黄金の亡霊(どうして私はあなたがいるところにいないのか)』


これぞインスタレーションという作品。このモールでできたふかふかの中に金が紛れてるという設定。ゴミ山から金属を見つけてそれを売って生活している人々がいることを知っていた僕はそのことを思い出して鑑賞した。政府がゴミ山の管理をすればいいのだけれど、ゴミ山がなくなると生活できない人が出てくる、というなんとも言えない話。

アングン・プリアンボド『必需品の店』

「他の人には重要だけど自分はいらない物を買いましょう」buy unnecessary things for me yet important to others
「買い物は私たちを完璧にする」shopping made us a complete human being
というネオンが光っている。

ジャコメッティ展より600円安い価格設定にも関わらずボリュームはこっちの方があって、インスタレーションも多く非常に楽しめました。ジャコメッティ展だけじゃなくてこっちも是非行ってみてください。